泉田宥美治療院 | 日記 | 人間にとって1番怖いことは・・・

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泉田宥美治療院 の日記

人間にとって1番怖いことは・・・

2013.08.05

人によってはいろいろあると思います。
でも、つきつめていくと最終的に残るのは「死」だと私は思います。

   何故、そう思うか?
私がプロボクサーの現役の頃。
試合が決まった瞬間から、自分の心の中に恐怖心が芽生え、それは試合が近づくほどに大きくなっていきます。   試合前日なんかはほとんど一睡もできず、気付いたら朝だったという感じです。

そこである時、私はこの恐怖は一体何なんだろうと、つきつめて考えてみました。
「倒されるかもしれないから・・・」「大衆の面前で無様な姿をさらすかもしれないから・・・」・・・
でも、それをもっとつきつめていくと最後に残るのは、「死ぬかもしれない」ということでした。 

  実際、私のデビュー戦はボクシングの聖地後楽園ホールで、人気のある日本チャンピオンのタイトルマッチの前座でした。
会場は超満員。
 2000人以上はいたと思います。
相手はアマチュアで数戦している選手。
対して私はまったく初めての試合。
私は恐怖心で試合が決まってからは、ほとんど眠れませんでした。
「負けたら自殺する」
変な話、そこまで追い込まれていました。
私は自分の気持ちを鼓舞する為、気がついたら「殺す」という言葉を繰り返し口に出していました。 

  リングに上がった私は断片的な記憶しかありませんでした。
リングインした時、トレーナーから、上を向いて深呼吸しろと言われた時に見たライト。
試合が始まって、頭を下げて突っ込んでいっていた時に下からアッパーをもらって、天井を見た時に見たライト。
気がついたらレフリーに右手を上げられていました。
その時に見たライトの眩しさだけが強く印象に残っています。 

  その後も常に恐怖を抱えたまま現役を続けていました。
でもそれは死なない為に必死で命を燃やして生きていたんだなぁと思います。

だからこそ、プロボクサーだった頃の自分は、今でも心の支えになっています。

   ともすれば、ただ、だらだらと過ごしてしまいそうになる毎日。

あの頃のように「生」を噛みしめながら、命を燃やして生きなくてはと思ってしまいます。  

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